2010年07月01日

国民総諜報工作員、ならばきちんとそういう扱いしましょう

 現代の戦争は金融も含めた情報操作戦。だから日本は強い経済力を「戦力」としてきた。しかしその「戦力」は弱体化し、何より、士気が低い。欧米式の個人主義という嘘まやかしの言葉に騙され、今も信じ込んでいる似非自由主義者はしらっと「海外に逃げる」などと言う。よく噛み締めてほしいもんだ。

宮崎正弘の国際ニュース・早読み
 平成22年(2010)7月1日(木曜日)弐 通巻3008号 
中国、国防動員法を施行(7月1日より)
 国防緊急対応のための国民総動員、戦略備蓄、予備役招集など

 7月1日より「国防動員法」が中国で施行された。
つまり国家非常事態における国民総動員を法律によって規定し合法化」したシロモノで、外国に住む中国人も適用を受ける百万近い在日中国人も長野五輪紅旗動員事件のように強制動員が可能となる。

 もとより国防動員法は、単独で審議されてきた法体系ではなく、1997年の全人代にさかのぼる。第十五回全人代は「2010年をメドに中国の特色ある社会主義的法律体系の確立」がうたわれた。
 これらは憲法を基軸に民法、商法、経済法、刑事訴訟法にくわえて地方行政規律などを「総合的」に「有機的に」統一しようとする目的が掲げられ、2000年九月に起草作業が開始された。

 起草開始から九年後、09年4月の全人代常務委員会は「国防動員法」の概要について起草状況にふれ、「国防動員体制戦略備蓄国防関連法の整備ならびに国防建設プロジェクト予備役軍事科学戦争災害救助ならびに予防宣伝」などからなり、指揮系統が決められるだろうとした。

常務委員会の草案では「主権、統一、領土保全、安全」が脅かされた場合、直ちに対応措置が執られることが決められた。

2010年2月26日、国防動員法が決定された。
世界に向けて発表されたが、日本のマスコミは殆ど黙殺した。最大の着目点はこの国防動員法に金融が筆頭の課題として登場したことだった。

▲戦争の準備はいつでも出来た、と豪語したのだ

 同法の着目点は、戦略備蓄の強化と国際金融危機、つまり金融災害(リーマン・ショックやアジア通貨危機のような)に際して、この法律が適用されることである。

 危機に際して国務院と中央軍事委員会に指揮系統が集中され、十八歳以上の国民は男女を問わず、全員が法の適用をうけ、その対象は外国に住んでいる中国人を含むとされた。

 中国の銀行、証券、保険の倒産、債務不履行や株価暴落、あるいは人民元乱高下によりマーケットのパニックがおきた場合、軍隊が動員されて銀行を管理下におくことも法律的に可能となり、同時に注目に値するのは、この国防動員法制定と平行して、中国は人民元国際化の工程表を発表したことである。

 すなわちリーマン・ショック直後から事実上の人民元固定相場堅持、貿易の弐国間決済、通貨スワップ制度の導入にくわえて東アジア全般での人民元経済圏の構築、そのうえに立って2013年までに人民元を「SDR通貨バスケット」に加盟させること、つまり1−3%程度の国際決済は人民元で行われることになるという、遠大な計画を中国は世界に向けて公言したのだ。

 この動きを受けたIMFのドミニク・ストラウ・カン専務理事は「人民元はれっきとした通貨であり、IMFのSDR通貨バスケットに加入する権利はある」と述べた(朝日新聞英語版、7月1日)。

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2010年06月23日

経済を突き詰めると渉外能力に行き着く

 宮沢さんは経済のプロだった。賛否は別にして、今頃現実が追いついて来ている。経済のプロ政治家が今の内閣には居ないと思う。与党内で経済に明確な理論を持っていたのは藤井さんだけだったと思うが、それを切ってしまった民主党の愚かさ。経済の指針を是非でなく有無で問わなければならないとは情け無い。

宮崎正弘の国際ニュース・早読み
 平成22年(2010)6月23日(水曜日)通巻3003号 
巧妙な、あまりに巧妙な中国の人民元切り上げ圧力回避演出
 トロントG20の喫緊議題から「人民元切り上げ」論議を外した

 週末のG20(トロント)ではユーロ危機の対応と銀行間の国際的規制強化が議題となるが、人民元問題は巧妙に外された。胡錦濤はカナダへ先乗りし、事前工作を周到に根回ししたようだ。

 オバマ政権は切り上げのジェスチャーにともかく満足し、ガイトナー米財務長官は「中国の迅速でダイナミックな決定が事態打開におおきく動いた」などと中国を高く評価する。まるでおべんちゃらのようだ。
「インド、ブラジルなどの『人民元の切り上げペースが遅い』という批判も同時に中国はかわした」(NYタイムズ、6月23日)。

 とりわけ米議会からの人民元切り上げ圧力に対しての、北京の素速い対応は、20日、唐突に変動枠を0・01%から0・5%へと変動させると発表したことで、国際的な投機筋の足下をすくった。

直前までに投機筋は人民元の切り上げを見越して、韓国ウォン、香港ドルなど人民元の「周辺」の通貨を仕掛けてきた。
 韓国とタイは短期の通貨取引に規制をかけて対応した。

 21日に中国の為替市場が開かれると、予想に反して人民元の切り上げのペースが弱く、0・5%枠内に収まる。推測だが、おそらく猛烈なドル買いを中国当局がおこなった結果だろう。

 つぎなる問題はAFM(アジア通貨基金)に移った。
 もともと97年アジア通貨危機に直面したおり、日本がIMFだけではアジア経済を資金的に円滑化することはできないうえ、通貨変動の混乱調整に期待がもてないと、宮沢構想(アジア通貨基金の構築)を提唱した経緯がある。

 最初のG7が70年代の石油危機により設立されたようにG20は1997年のアジア通貨危機の教訓から誕生した。
 ながらく休眠したが、08年のリーマン・ショック直後から再開し、ピッツバーグ、ロンドンと場所を移しながら重要課題と国際責任を加盟国が分かち合う。 


 ▲日本の主導に不快感をしめるのは米国と中国だ

宮沢構想ではIMFの地域版としてのAMF(アジア通貨基金)設立だったが、米国への根回し不足により、クリントン政権は「APECが既にあり、IMFが機能しているのに屋上屋を重ねるかのような『AMF』は不要だ」と露骨に反対し、日本案は頓挫した。

じつは背後で強烈に反対したのは中国だった。
中国は日本のイニシアティブにはすべて徹底的に反対するのである。05年、日本の国連常任理事会入りを露骨な反日デモを組織化して反対し、つぶしたように。

 しかしASEAN10ヶ国は日本の期待が大きく、宮沢構想が変形し、おおきく迂回したものの、その後のチェンマイ・イニチアティブにより「アジア通貨基金」の実務的第一歩として、情報網、監視機関の設立がなされ、具体的ステップが始まる。
 
 2009年に合意されたAMF構想は1200億ドル。
出資額の応じた投票権は日中が対等(それぞれ28・4%)、韓国が14・7%,そしてASEAN正式メンバーの十カ国が残りの28・4%を分け合う(シンガポール、インドネシア、マレーシア、タイが対等のシェアとする)。

 域内のマクロ経済調査研究所をシンガポールに設立し、財政、資金調整などを監視し、タイミングを計った提案を適宜提出することが決められた。そしてEUからユーロへの沿革があるように、アジア統一通貨も視野にはいった筈だった。
 ところがアジア統一通貨はユーロの破綻により、現在のところ、語る人もいなくなった。

しかも、この間に際立って露呈した矛盾は、各国が変動相場制に移行しているにもかかわらず中国だけがドルペッグ(固定制)を変更していないということだった。

 さらにインドが経済力を急進させて南アジア経済をゆらす影響力をもち、もうひとつはミャンマーの孤立化と中国の支援、川下産業として繊維などで発展するバングラデシュの台頭。
ASEANプラス3(日中韓)はかような矛盾を束にしながらも、或る方向に前進しつつある。


posted by あんぽんたん at 12:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 国際 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年06月21日

輸出組は良いが、投資組は撤退しようにもにっちもさっちも行きません

宮崎正弘の国際ニュース・早読み
 平成22年(2010)6月21日(月曜日)通巻3001号(三千号突破記念号)
さぁ、人民元がいよいよ今日から切り上げ。年内3%目標というが
 0・01%から0・5%(一日の変動幅制限)では、米国もIMFも不満

 ビッグニュース。2010年6月20日、午後(つまり日曜日)、中国人民銀行(中央銀行)の周小川総裁は記者会見し、21日の取引開始時間(日本時間、21日午前十時)より、中国の通貨=人民元の対ドルレートの変動幅を、過去二年間厳重に制限してきた0・01%から0・5%に変動させるとした。

 2008年9月のリーマンショック直前まで、人民元は「管理された、変動相場制」だった。05年7月1日に2・1%の切り上げの後、徐々に徐々に人民元の為替レートは上昇してきたものの、リーマンショック以後の二年間はほぼ「固定」されたままだった。

 米国は中国に強く人民元切り上げ圧力をかけてきたが、北京はどこ吹く風と批判をそらし、通貨は主権問題、外国からどうこう言われて(日本のように)為替レートを変化させたりはしない、と突っぱねた。

 米議会の怒りは強く、NY選出(ウォール街の代弁者)のチャールズ・シューマー上院議員は人民元の30%の切り上げを要求し、「もし中国が飲まないのであれば、中国からの輸入品すべてに一斉に27・5%の『報復関税』をかける法案を準備してきた。

ナンシー・ペロシ下院議長も『我慢の限界』と言明していた。IMFは『人民元は20%程度、過小評価されている』と報告書をだし、オバマ政権内部でも「これ以上、議会の声を対中政策に反映しないのはまずい」という判断に傾く。

そして先週(6月第三週)、香港の人民元先物取引で、人民元レートが上昇傾向に転じた。マーケットが地殻変動の予兆を示し、ついに日曜日という異例のタイミングを撰んで切り上げの発表となる。

年内に3%切り上げという観測が根強いが、市場はいったん切り上げ傾向となれば、毎日0・5%の範囲内で上昇傾向がつづくであろうから、けっきょくは年内5%以上に結果するのではないのか。

 行くも地獄、戻るも地獄。
 官製デフレを起こさなければならなくなったのだが、よくよく考えれば、偽札を、撲滅するまで行かずとも、それなりに取り締まるだけでそれに近い効果が有るんじゃないか?と、ふと思った次第。

posted by あんぽんたん at 15:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 国際 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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