6カ国協議が終わって一応の声明が出され、それに対する評価も出揃ったところで、もう一度6カ国協議なるものの背景を復習しておきたい。
まず初めに、
6カ国協議という枠組み自体が北朝鮮の日本人の人質を取り返す話し合いの為の場ではないという事を踏まえたい。
6カ国協議はならず者である北朝鮮が自分の立場を弁解する場だ。これが不調に終わったところで北朝鮮の立場がそれ以上に悪くなる事は無く、言わば北朝鮮がどのような飴を貰うか値踏みする場でしかなかった筈だ。脅迫のネタは多いに越した事は無いわけで、だからこそ成功もしないような核爆実験にも踏み切れるのだ。工作員の如きマスコミの論調に毒されると6カ国協議に過大な期待を抱いてしまうのかも知れないが、そもそもその前提がおかしい評価が目立つ。6カ国協議が儲けられた事で人質の奪還は停滞こそすれ進展は望めなかったのだから、日本は充分な成果を出せなかったという評価はむしろ6カ国協議の枠を逸脱して北朝鮮の思う壺に嵌るべきだったと言っているようなものである。
結果として、この声明に"拉致"の単語を入れる事はできなかったが、
こんな状況で日本の立場を表明できた事は成果と言える。アメリカの金庫としてしか機能しないと分っているのによく我慢したもんである。3つの大国と南朝鮮相手にここまで出来れば上等じゃないかとさえ思う。これでようやく4年ほど前の位置からスタートし直す事ができるわけで、いつもの日本のように損を出さなかったのは良かった事ではないか。
しかし、そういう成果が快くないのか、とにかく負けだ孤立だとネガティブ印象操作に余念の無い方々も多いようで。以下は一部論客からは、評価に値しない、とまで言われる田中氏の相変わらずの長文だが、詰めの甘さが分り易い部分が有ったので残しておく。
田中宇の国際ニュース解説 2007年2月16日★北朝鮮6カ国合意と拉致問題
(中略)
▼満州事変的な遺骨問題
今回の6カ国合意に対し、わが日本の政府は、合意には総論的には参加したものの、拉致問題が解決されていないことを理由に、合意具体化のための原油提供は行わないと表明した。
(最初の5万トン分は韓国が全量提供し、次の95万トン分の資金は韓国・中国・アメリカで均等負担すると報じられている。ロシアは、過去の対北朝鮮債権の帳消しというかたちで協力する)
日本政府の戦略は、表向き、日本は経済支援に参加しないという抗議の姿勢を見せることで、北朝鮮に拉致問題への「誠実な態度」をとらせようとしている。しかし、日本政府が満足を表明するような態度を、北朝鮮がとる可能性は、今後もほとんどゼロである。日本政府も、それを認識しているはずだ。
北朝鮮は、日本が対米従属の国だと見抜いている。北朝鮮に不可侵を約束しつつあるアメリカの意向に逆らって、日本が北朝鮮に戦争を仕掛けることはないことを、北朝鮮は知っている。覇権を衰退しつつあるアメリカは、遅かれ早かれ、韓国から撤退する。北朝鮮の立場はしだいに有利になっており、今後さ
らに有利になりそうだ。北朝鮮は、日本に対して譲歩する必要を全く感じていない。無視するか馬鹿にしてもかまわないと思っている。しかも北朝鮮側は、拉致問題に関しては、名簿も遺骨も日本に渡し、すでに誠意ある態度はすべてとったと主張している。
日本政府は2004年末に、北朝鮮側から渡された横田めぐみさんのものとされる遺骨をDNA鑑定した結果、別人の遺骨であると発表し、北朝鮮はウソをついていると非難した。だが、一度埋葬された遺骨は、土の中のさまざまな微生物などのDNAを吸収してしまっており、そもそも誰の遺骨かをDNA鑑
定で決定することは不可能だと、鑑定を担当した帝京大学の講師自身が、イギリスの科学雑誌「ネイチャー」の取材に答えて述べている。
http://www.zmag.org/content/showarticle.cfm?ItemID=8064
ネイチャー誌は05年2月3日に「DNA is burning issue as Japan and Korea clash over kidnaps」と題する記事を出し、日本政府はこの記事を不正確だと批判した。それに対してネイチャーはその後の社説で、日本政府の態度を非難し返している。ネイチャー誌と北朝鮮の側から見ると、遺骨鑑定結果は日本政府の意図的な歪曲であり、ちょうど日本政府の行為は「満州事変」で、ネイチャーの記事は「リットン調査団」になっている。
遺骨問題以来、北朝鮮は「誠意がないのは日本の方だ」「拉致問題は解決ずみだ」と主張し続けている。その後、6カ国協議で北朝鮮が優位になる中で、拉致問題を北朝鮮側の譲歩によって解決することは不可能になっている。
(後略)
例の横田めぐみさんのものとされた偽遺骨の件だが、海外メディアのリンクを貼れば信憑性が増すというものでもない。リンク先を読めば一目瞭然なのだが、その記事の筆者は日本のメディアの中で情報を朝日に頼っている。ここまで書けば分るだろう。朝日→Znet→田中氏という逆輸入の
情報ロンダリングだ。朝日の論調が英語で書き直された文章を以ってネイチャー紙が日本政府を糾弾してるかのような印象を植え付けようとしている、と取られても仕方が無いだろう。
だが、満州事変の例えは俺的には秀逸だ。田中氏は悪意のつもりなんだろうけど。こういうところも詰めの甘さと言えるかも。(笑)
posted by あんぽんたん at 03:03|
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