平成17年(2005年)7月14日(木曜日)通算1181号
中国四大国有銀行、再建にまつわる怪談
欧米勢の投資銀行などが資本注入の本当の理由は何だろう?
中国四大銀行(中国銀行、中国農業銀行、中国工商銀行、中国建設銀行)はカンフル注射をうち続けてもらって、それでも不良債権は公式で29%、実態は誰が考えても40%台。
したがって銀行本来の目的である貸し付け業務が停滞し、これは西側の常識では破産寸前のマンモス。
当局は外貨準備高からも合計1150億ドルを回して不良債権処理にあててきた。
ところが、ところが。
ゴールドマンサックス証券とアリアンツ保険が10億ドルを出資して、このうちの一つ「中国工商銀行」に出資する手筈を整えたという(NYタイムズ、7月11日付け)。
そればかりか「同行の上場の幹事会社となれば手数料収入だけでも天文学的」(サウスチャイナ・モーニング・ポスト、10日付け)。
怪談はまだ続く。
バンカメ(バンク・オブ・アメリカ)は中国建設銀行の9%の株式を30億ドルで購入する噂が流れている。中国建設銀行は昨年上場予定が遅延されており、従来は同行へ米国最大のシティグループか、もしくは老舗モルガンスタンレーの関与が市場では噂されていた。
スイスのUBS(ユニオン・バンク・オブ・スイスランド)は、中国銀行に五億ドルを投じる手筈という。
「純粋は商業行為? とは誰も見ていませんよ」と業界筋が語る。「日本でも新生銀行騒ぎがありました。禿鷹ファンドが何をしたか、ご記憶でしょう。いや、もうお忘れ?」。
中国工商銀行は一億人の口座、5000億ドルの含み資産があると言われているが、依然として従業員が40万人という官僚的体質の銀行だ。
しかも過去三年間だけでも800人の銀行幹部が汚職まみれで解雇された。
9億ドルの新しい焦げ付き(不良債権増加)ばかりか、行方不明のカネが8億ドルあると会計検査で発覚したばかり。
いずれも行内審査を通すための偽造書類が周到に手配されていた。
中国で国有銀行は潰れるわけはないとばかりに不良債権を積極的に購入していたのがゴールドマンサックスとJPモルガンだった。そしてこの文脈から両社はCNOOC(中国海洋石油)のユノカル買収のアドバイサー入りをいつの間にか果たしていたわけだ。
すでにゴールドマンサックスは昨年までに中国最王手保険の平安保険に出資し利益を確保している。
韓国でも国民銀行を利益の出る銀行に変貌変質させた実績がある。
同様にドイツのアンリッツ保険はドイツ第三位のドレスナー銀行に梃子入れし、経営を再建させている。
欧米の強豪、中国不良債権を絶好のビジネスチャンスと捉えている。

