返って、日本がその民主主義的な自由が保障されているかというと、そうでもない。
以前、中国人と話していた折、当時の森首相をアホだコネ人生だとこき下ろした。特に俺が石川出身で森さんの若い頃からの逸話を知っていてペラペラ話すものだから、彼は周りをキョロキョロしながら「そんな事言って大丈夫なのか」と驚いていた。彼らの感覚では街中で堂々とリーダーを批判するのはとても恐ろしい事なのだ。
しかし、彼に羨ましがられても俺は胸を張れなかった。日本には国家権力よりも恐ろしい被差別利権威圧勢力が有るからだ。日本の報道機関は政府の誹謗中傷はしても威圧勢力の非道には触れない。街中で政府がアホだの政策がボケだの言う事に躊躇は無いが、被差別利権者を批判するのは正直言って恐ろしい。誰が聞き耳を立てていて脅迫してくるか分らないからだ。政治的には民主主義なのだろうが、言論の自由を保障されているわけではないという事だ。
匿名性のネット、とりわけブログの一般化で書きたい事は書けるようにはなったが、日本の社会はまだまだ国民に被差別利権威圧勢力とは対等なポジションは与えていない。
JOG Wing 国際派日本人の情報ファイル No.1259 H19.03.12
台湾の民主政治を羨む中国人
昨年の6月、台湾の陳水扁総統の娘婿が株のインサイダー取引容疑で検察当局に身柄を拘束された事件が起きたが、これに関して面白い出来事が中国で起きた。
新華社、人民日報など中国の主流メディアは「陳政権の腐敗ぶり」を読者に印象づけようと事件を大きく取り上げた。そして台湾湾の立法院(国会)で野党が政府を厳しく追及する様子や、台湾の最高指導者も自分の家族をかばいきれない事実が詳しく伝えられると、ネットでは「台湾の民主政治がうらやましい」「中国では村長の娘婿もこのぐらいのことでは逮捕されない」「太子党(幹部の子弟)はみなインサイダー取引をやっている」といった書き込みが相次いだ。
北京大学が今回の不祥事を暴露した台湾の野党・国民党の邱毅・立法委員(国会議員)の講演会を開こうとしたところ、定員500人に対し、1000人以上の申し込みがあり、「中国国内の反汚職ブームの火付け役になってほしい」(書き込み)と期待されたが、事態の拡大を恐れた中国当局は、急遽(きゅうきょ)講演の中止を決定した。
それを告げられた邱毅氏が台湾のメディアに対して「陳総統は国家権力を使って私の言論の自由を奪わない。中国政府よりましだ」と語るや、このコメントもたちまち中国のネットに流れ、転載に次ぐ転載で影響を広げている。
言論の自由を認めない中国の独裁政府にとっては、とんだやぶ蛇だったわけだ。マスコミや野党があること、ないことで政府を糾弾し、揚げ足取りまでするのが、日本でも日常茶飯事だが、それは先進的民主主義国でしか享受できない、きわめつけの贅沢なのである。
比較論ならきわめつけの贅沢だろうが、そうでもない、と思えるのもまた贅沢の表れだろうか。

