「一人負け」の日本
相も変わらず何を言いたいのか分らない文章だが、唯一つはっきり読み取れるのは、「アメリカに外され」たから日本が「一人負け」なのだと匂わせたいようだという事だ。実際、書かれている事に目新しいものは無く、「一人負け」って言いたいだけちゃうんかと。
刺激的な単語で日本人の恐怖心を煽るつもりなのかも知れないが、説得力に欠けるのは、何において負けたのかを定かにしていないところだ。アメリカにとって核兵器開発問題の中心は中東にある。それこそ田中氏の専門分野のはずだが、東北アジアの核兵器開発も中東のそれとシームレスであるにも関わらず、そこには不思議にも田中氏は目を向けないのである。アメリカは東北アジアにおいては直接手を出さないよというポーズが6カ国協議なるものなのであって、議長国に中国が据えられているのも北朝鮮に柔軟な姿勢を許せるようにだ。従ってとっくに日本も韓国も「アメリカに外され」ているわけで、それは6カ国協議という枠組みが出来た時点で一般人でさえ気付いている。現にこの数年でネットでその対応への議論が活発になり、(朝日を除いた)マスコミでさえオブラートに包みつつも対応を提議してきた。あえて言えば、北朝鮮の攻撃で恐ろしいのは核兵器ではなく朝鮮人やカルトのテロであり、核爆実験が有ろうが無かろうが日本への脅威は殆ど変わっていない。中川さんの核の議論発言が叩かれるのはマスコミの言う(自作の)世論を頭越しに表面化させた事への嫉妬心であって、現実の国民の意思が既に様々なフェーズ想定したものになっている事を逆説的に証明したとも言える。
こういった状況下で日本が不利に立たされているかどうか。少なくとも人質の奪還に関しては北朝鮮をテーブルに着かせる事には利があるし、核兵器に関する暴走の抑止という点でもマイナスは無い。一番の利益が日本国内の不穏分子の炙り出しになるはずだったが、これが進んでいない事が比較的「負け」と言えようか。しかし、例えばエネルギー政策では日本は「負け」どころか「死に体」で、中東に詳しいお方がわざわざ北朝鮮の行く末なんぞの議論で日本を「一人負け」呼ばわりしてる場合ではないと思うのだが。
2006年11月17日
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