2006年10月17日

中川昭一vs朝日新聞、では?

 15日、朝日新聞は北朝鮮核爆実験に対して日本が何も出来ない状態である事を記事にした。以下に転載。

焦点の貨物検査、日本は? 警告射撃はだめ、説得だけ
2006年10月15日07時15分
 国連安全保障理事会は14日午後(日本時間15日未明)、核実験を発表した北朝鮮に対する制裁決議案を理事国全15カ国による全会一致で採択した。決議案では、北朝鮮に出入りする船舶などの貨物検査の方法が常任理事国5カ国と議長国日本による修正協議の焦点となった。
 米国などに比べ、日本が実施できる船舶の検査には制約が多い。
 国連海洋法条約は、公海上での海賊行為などを取り締まるため、軍艦が外国船を「臨検」することを認めている。しかし、日本には根拠となる国内法がないため、できない。周辺事態の際には海上自衛隊による「船舶検査」ができるが、武器使用などに制約はある。
 船舶検査では、日本の領海や周辺の公海を監視中に不審船舶を発見すると無線通信、発光や手旗で注意を喚起。応答がなければ、信号弾を打つ。さらに無線で船名、船籍港、船長名、目的港、積み荷を問い合わせる。
 不審な場合は、相手の船長に停止を「要請」。隊員が相手船舶に乗り込むのも船長の「承諾」が必要だ。書類や積み荷を検査し、禁輸品を積んでいないことが確認できない場合は、目的港や航路の変更を「要請」する。
 停船の要請に応じなかった場合は、追尾や伴走をするなどして「説得」し続けるしかない。米国などのように相手船舶の前方の海面に警告射撃をすることは、憲法で禁じた武力による威嚇にあたるとして許されない。
 日本の船舶検査は、現状が「日本の平和と安全に影響する」など周辺事態6類型にあてはまることが必要だが、防衛庁首脳は「国連決議だけでは認定できない。認定しても後方支援は米軍だけにしかできない」と消極的だ。しかし、米国は「意味ある貢献」(シーファー駐日大使)を求めてきているため、外務省では「周辺事態の認定は可能だ」という主張が強い。
 自民党国防族は船舶検査に強制力を持たせる特措法の制定を主張。船長が拒んでも検査を強行できるようにしたり、船舶検査活動への後方地域支援を米軍以外の他国軍にも広げたりする考えだ。

 〈周辺事態法〉 日本の平和と安全に重要な影響を与える武力紛争などの事態(以下「周辺事態」)において自衛隊が実施できる活動内容を定めた法律。朝鮮半島有事などを想定して、99年に制定された。周辺事態と認定されると、国会の承認を経て、自衛隊は武器や弾薬の輸送など米軍への後方地域支援が可能になる。
 同法を補完するため、00年に船舶検査活動法が制定され、周辺事態に際して実力行使を伴わない任意の積み荷検査などができることになった。その場合、周辺事態の認定のほか、検査活動を要請する国連安保理決議などが必要とされる。これまでに、これらの法律が適用されたことはない。

〈周辺事態の6類型〉
(1)日本周辺地域で武力紛争が差し迫っている
(2)日本周辺地域で武力紛争が発生している
(3)日本周辺地域で武力紛争は一応停止したが、秩序の維持、回復が達成されていない
(4)ある国の行動が国連安保理で平和に対する脅威などと決定され、安保理決議の経済制裁の対象となり、日本の平和と安全に影響する
(5)ある国で政治体制の混乱などにより避難民が発生、日本に流入の可能性が高まっている
(6)ある国で内乱、内戦などが発生、国際的に拡大し、日本の平和と安全に影響する

 この記事をぜひ社会の教科書に載せましょう。(笑)ネットのあちこちでも高評価の記事ですから。ただ、朝日は北朝鮮へのエールのつもりなんでしょうけど。
 さて、これと同じ15日、中川さんが田原さんの朝の番組で布石を打った様子。

自民政調会長「核保有の議論必要」 首相は三原則を強調
2006年10月15日18時50分
 自民党の中川昭一政調会長は15日、北朝鮮の核実験発表に関連し、日本の核保有について「核があることで攻められる可能性は低いという論理はあり得るわけだから、議論はあっていい」との認識を示した。安倍首相は国会で「我が国の核保有という選択肢は一切持たない」と答弁している。だが、日本も核武装するのではとの見方が海外の一部で出る中での与党の政策責任者の発言は、波紋を広げそうだ。
 テレビ朝日の報道番組などでの発言。中川氏は非核三原則は守るとの姿勢を示したうえで、「欧米の核保有と違って、どうみても頭の回路が理解できない国が(核を)持ったと発表したことに対し、どうしても撲滅しないといけないのだから、その選択肢として核という(議論はありうる)」と語った。
 一方、安倍首相は15日の大阪府内での街頭演説でも「北朝鮮が核武装を宣言しようとも、非核三原則は国是としてしっかり守っていく」と明言。中川秀直幹事長も記者団に「首相の発言を評価している」と語り、党として議論するつもりはないことを強調した。
 また、公明党の斉藤鉄夫政調会長は同じ番組で「議論をすることも、世界の疑念を呼ぶからだめだ」と反論。民主党の松本剛明政調会長も「今、我が国が(核を)持つという方向の選択をする必要はない」と述べた。

 これについて、中川さんが田原さんの誘導で言わされたような印象を受けている人も多いようだ。俺は見ていなかったのでようつべ待ちなのだが、中川さん、この朝日の北の将軍様を安心させる記事への対抗策としてわざと言ったんじゃないかという気がしてならない。実際今の日本にできる事が少ないのは確かだが、手を尽くして北朝鮮へのプレッシャーを強めるべきタイミングで見事に北朝鮮へのフォローを見せた朝日新聞には思惑があったと見るべきだろう。日本として手は出さないと受け取られない為に、北朝鮮と世界特に6カ国協議参加国へのメッセージを何かの手段で発信しなあなあで済ませそうな雰囲気を潰す必要はあった
 核もまた被爆国である日本ではタブーだが、非核三原則の"持ち込ませず"は当初から破綻して形骸化しており、このフレーズも憲法と同じく文字列だけが神格化されて実の伴わないものとなっている事も否定できない。安倍さんが非核三原則を堅持すると言っても、現状で堅持できていなさそうなグレーな扱いを続けると言っているのに過ぎないのであれば、中川さんの発言の火消し用としては実は的が外れているわけだ。もっともそれで日本人の核アレルギーが治まるならそれで充分だ。日本では武力は攻撃力ではなく抑止力だとしか考えないのだし、国益から考えても核武装は現実的ではない事は揺ぎ無い。敗戦国である日本は世界一核査察を受けている国でもある。ただ、非核三原則で間違ってはいけないのは、核爆についての研究をしないとはなっておらず、現に準備と取られかねないような研究が行われていないわけでもなく、それらをIAEAに隠した事も無いという事だ。その事実の方がよっぽど反核の逆鱗に引っかかってもおかしくない筈なのに、"議論"の肯定発言を問題視するのは物事を知らな過ぎるか、それともやはり日本人全体の反核センサーが誤作動するようになってしまったとしか思えないのだが。
 いずれにしても、自民党にとって吉と出ないかも知れないこの発言は、それでもいつかは誰かが言い出さなければならなかったものであって、当面は中川さんは批判されるだろうが、北の核を睨んだ安全保障の外交にはジワリと利いてくることだろう。不謹慎を承知であえてグッジョブ!

北の核実験、米政府が公式確認 規模は1キロトン未満
 ネグロポンテ米国家情報長官は16日、北朝鮮が9日に発表した核実験について、11日に空中で採取した塵のサンプルの分析から、放射性物質を検出したとし、「北朝鮮が地下核実験をしたことが確認された」と正式に発表した。爆発の規模は1キロトン(TNT火薬相当)未満としている。
 実験が行われた場所については、北朝鮮北東部の豊渓里付近としている。
 北朝鮮の核実験をめぐっては、爆発に伴う地震波が小さかったことから、通常火薬による爆発ではないかとの見方もあり、米政府はこれまで正式発表を行っていなかった。
 また、北朝鮮は実験直前、中国に4キロトン規模の実験を行うと通報していたとされるが、1キロトン未満と大幅に下回ったことで、「何らかの失敗があった」(米政府当局者)ことが裏付けられた形だ。このため、米政府は北朝鮮がこの実験で恒常的に核を使用できる「核保有国」になったとの判断は示していない
 米政府は北朝鮮が2度目の核実験を行う可能性があると引き続き警戒を強める方針だ。

 核爆自体が失敗していたと発表するかも知れないと思ってたけど、一応ちゃんと核爆があったと発表したわけだ。それでも"核保有国ではない"という扱いですよ。アメリカもよっぽどドンパチしたくないみたいですな。けど、日本が"議論"くらいで核保有国になる事を心配してたら笑うかも?


posted by あんぽんたん at 05:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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