北朝鮮の核爆実験が近いようです。実際にはやらないさ、などと言ってはばからない人もいて、それなりに理屈はあるみたいなんですが、どの理屈も説得力に欠けます。それらの殆どがアメリカへのツンデレ説ですが、その発想は3ヶ月前にもう破綻してしまっていて、議論としても決着したものと言えるでしょう。今日に至ってその論調は益々鳴りを潜めています。
9月に中国の新聞に載った論文では、かつてアメリカは核兵器保有国と戦争をした事は無く、故に北朝鮮は核兵器保有がアメリカの脅威から逃れる術だと考えているようだ、との推測がされています。つまり、アメリカと穏便に付き合いたい国はむしろ核兵器保有しなければならないという論法です。これはあながち間違っておらず、対インドで核兵器保有したパキスタンは結果的にアメリカの対タリバン戦争で優位な立場を得ました。ただ北朝鮮の勘違いは、頼みの中国やロシアもアメリカと同様に核バランスで成り立っているという事です。また北朝鮮が核兵器保有すれば間違い無く韓国と日本も核兵器準備に入ります。日本の核兵器保有は中国とロシアには死活問題ですから、世界の外交力バランスに大きな変化をもたらします。そこまで考えの及ばない自己中心的な外交感覚しか持ち合わせず、中国ですらそれに困惑を隠さないようでは、最早北朝鮮は攻撃を受けるか自身がクーデターなどで犯罪を認めるかしか国の存続が無いでしょう。しかし北朝鮮をアメリカが取るか、中国が取るか、ロシアが取るか全く不透明な状況では、突発的に崩壊されても混乱は大きく、日本にも少なからず難民が流れ込む事が予想されます。日本にはその準備ができていません。日本人としてはさらわれた人達を取り返すのが第一義ですが、それ以外ではまだ暫く生かさす殺さずの状況が続く事が望ましいのは確かです。
客観的に見て現段階でこれを仲裁できる国は皆無となってしまっていますが、わずかな可能性が見えるのがイランと日本の関係ではないでしょうか。イランの油田採掘権を使った日本への圧力は、北朝鮮を含めてアメリカに敵視される状況に対するSOSとも取れます。確かに現状でアメリカに対して物申すのは日本が最も有効と言っていいかも知れません。今週、小池さんはアメリカに行っていました。東アジアと中東の緊張以外に席上の議題が見つかりません。是非ともイランとの交渉のキーパーソンになって頂きたいと望みます。
2006年10月07日
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