■事実無根の中傷こそ威嚇行為
【ワシントン=古森義久】産経新聞と記者(古森)が日本の公的人物を威嚇し、その言論を弾圧していると非難する投稿が米紙ワシントン・ポスト8月27日付に掲載された。米国民主党系活動家が書いた同投稿文は記者がテロを意識的に扇動しているとも断じた。この事実無根の中傷こそ自由な言論への威嚇として反論したい。
民主党系の政治活動にかかわり、日米関係についても時折、論評するワシントン在の米国人スティーブ・クレモンス氏は「日本の思想警察の台頭」と題した同文で記者が8月12日付本紙国際面に書いたコラム「緯度経度」をまず「自由な言論を抑圧し、市民社会に後退を迫る右翼による公的人物に対する威嚇キャンペーンの最新の襲撃」だと非難した。
記者のコラムは外務省管轄下の公的機関の日本国際問題研究所(JIIA)が外国向けに日本の外交や安保の政策の根本を否定するような極端な内容の英語論文を連続して発信していることを伝え、その理由を問うだけだった。
だがクレモンス氏は「古森はJIIAの佐藤行雄理事長に謝罪を要求した」と書き、佐藤氏が8月18日付の産経新聞で同英文論文は「所内の審査が行き届かないままに発信が行われた」「公益法人としての当研究所の立場にふさわしくない表現や誤解を招く用語があった」と認め、そのサイト掲載を停止したことをとらえて、「(産経による)言論弾圧」と糾弾した。
しかし現実には記者は同コラムでは穏健な表現に終始し、佐藤氏への謝罪も掲載停止も一切、求めておらず、クレモンス氏が原文をきちんと読んでもいないことが明白となった。またJIIAが内部の手続き不備を主理由に自組織の一定発信を自主的に停止したことが言論弾圧ではないことも明白である。
しかし同投稿文はそこから一気に「超保守の」産経新聞や記者が「1930年代ふうの軍国主義、天皇崇拝、そして『思想統制』の復活を切望する極右活動家の暴力的なグループ」の一部だとして、「そのグループが最近は主流となり、自分たちに同意しない人たちを攻撃し始めた」と述べている。このクレモンス氏の記述は捏造(ねつぞう)としか評しえない。
産経も記者も「1930年代ふうの軍国主義などの復活を切望した」ことは皆無であり、民主主義や言論の自由への一貫した支持表明により、軍国主義には強く反対してきた。
しかしクレモンス氏は「この種の極右の一員が先週、自民党元幹事長の加藤紘一氏の実家を焼いた」と記し、あたかも本紙や記者がその放火容疑者とつながっているかのように中傷した。ちなみに本紙はこの放火を事件直後の社説で厳しく糾弾している。クレモンス氏はさらに富士ゼロックスの小林陽太郎氏や元外務省の田中均氏に対するテロまがいの威嚇行為を列記して本紙などとの関連をにおわせ、さらにこうした流れは戦前の犬飼毅首相暗殺と同様の傾向だと断じている。
そのうえでクレモンス氏は記者について「産経の古森は彼の言論が最近のテロ実行犯らを頻繁にあおることにも、彼らの(テロ)行動が彼の言論に恐怖を高めるパワーを与えていることにも無意識ではない」と書いた。
つまり記者がテロ行為を意識してあおっているという不当な断定である。同氏は記者へのこの威圧的な中傷になんの根拠も示していない。
ワシントン・ポストは日本の主要全国紙である産経新聞とそのワシントン駐在記者に対しこれほど重大かつ不当な誹謗(ひぼう)の文章を掲載するにあたって、事前に当事者に対して事実関係を調べる作業をしていない。掲載後すぐに記者は反論を書き、ポストあてに送ったが、2週間以上が過ぎた14日現在、掲載されないため、本紙でまず反論することとした。(ワシントン駐在編集特別委員・古森義久)
中国が最も恐れる男、古森義久。常に狙われ続けている事がそれを証明してます。だいたいこの
とにもかくにも、古森さんの身の安全を。

