2006年08月07日

富田メモについて、その余波

昭和天皇 護国神社ご参拝 「A級」合祀後途絶える
 地元の戦没者を祭る各地の護国神社への昭和天皇のご参拝が靖国神社のいわゆる「A級戦犯」合祀(ごうし)が行われた昭和53年を最後に途絶えていたことが産経新聞の調べで6日分かった。また、現在の天皇陛下が平成8年に栃木県護国神社(宇都宮市)に参拝された際宮内庁がA級戦犯合祀の有無を事前に問い合わせていたことも関係者の証言で明らかになった。天皇の靖国ご参拝中断とA級戦犯合祀の関係をうかがわせる事実といえる。
 昭和天皇は昭和32年以来ほぼ毎年、各地の護国神社を訪れ、靖国神社へのA級戦犯合祀直前の53年5月には高知県護国神社(高知市)に参拝したが、それ以降は取りやめられた。
 昭和天皇の靖国ご参拝中断をめぐっては最後のご参拝の50年11月とA級戦犯合祀の間に3年の開きがあることから合祀とは無関係との見方があったが護国神社を含めたご参拝の経過を見るとA級戦犯合祀が明確な分岐点となっていることが分かる
 靖国神社のA級戦犯は本籍地の護国神社にも合祀されており、富田朝彦元宮内庁長官のメモに出てくる松岡洋右元外相は山口県護国神社(山口市)白鳥敏夫元駐伊大使は千葉県護国神社(千葉市)にそれぞれ祭られている
 現在の天皇陛下は平成5年に埼玉県護国神社(さいたま市)に参拝され天皇としての護国神社ご参拝を15年ぶりに再開8年には栃木県護国神社に参拝されたがいずれもA級戦犯は合祀されていない
 栃木県護国神社の関係者によると、ご参拝は県や県警を通さず、宮内庁から直接連絡があり、「陛下が参拝を希望されている」と申し入れがあった。
 その際「そちらの神社にはA級戦犯は祭られていますか」との確認があり、「祭られていません」と返答したという。
 天皇陛下の護国神社ご参拝は、それ以来10年間途絶えている。

≪皇室 慰霊・追悼続く≫
 昭和天皇の護国神社ご参拝が靖国神社へのいわゆる「A級戦犯」合祀直後に途絶えたという事実は、A級戦犯合祀が原因で靖国ご参拝を中断されたという富田朝彦元宮内庁長官のメモと符合するともいえる。しかし昭和天皇はその後もA級戦犯を含めた慰霊を続けておりA級戦犯を排除しようとされていたと即断することはできない
 ほとんど知られていないが、8月15日に天皇皇后両陛下をお迎えして行われている政府主催の全国戦没者追悼式での追悼対象にはA級戦犯も含まれている
 平成14年当時の福田康夫官房長官の私的懇談会「追悼・平和祈念のための記念碑等施設の在り方を考える懇談会」で厚生労働省の担当者は全国戦没者追悼式の対象に「平和条約による拘禁中の死亡の者も含まれている」と説明し戦犯遺族に招待状を送っていたことも明らかにした
 この基準は第1回の追悼式が行われた昭和27年(当時は5月開催)以来のもので昭和天皇も現在の天皇陛下もA級戦犯を含めた戦没者を追悼されてきたことになる
 靖国ご参拝中断後も昭和天皇と天皇陛下は春秋の例大祭には欠かさず勅使を派遣され三笠宮さまや寛仁親王殿下をはじめ皇族のご参拝も続いている山口県護国神社などA級戦犯を祭る護国神社にも幣帛(へいはく)料が下賜(かし)されてきた
 皇室がA級戦犯を含む戦没者を慰霊・追悼されてきたという実態は何ら変わっていない。(渡辺浩)

【用語解説】護国神社
 幕末維新の戦役などに殉じた人たちを祭った各地の招魂社が起源。戦前の内務大臣指定護国神社は52社。靖国神社がある東京都と、建設中に戦災で焼失した神奈川県を除くすべての道府県にあり、複数存在する道県もある。合祀基準は靖国神社とほぼ同じで、地元を本籍地とする戦死者などを合祀しているが、殉職自衛官を祭る神社もある。靖国神社とは本社・分社の関係ではないが、密接なつながりがある。

 この記事が暗に示しているのは、連合国が線引きした戦犯のABCというランクは天皇さんにとっては意味を成していなさそうだ、という事。天皇制に於いて戦時中にも忠臣に勤めたかが判断基準ではなかろうか。益々人間らしい意思表示と思えてくる。一方、じわじわと輪郭が見え始めているのが宮内庁、厚労省、外務省、内閣府等のパワーゲームだ。
 富田メモの解釈、現状は天皇発言説と徳川侍従長発言説に分れ、加えてメモ利用トラップ説も現れているが、やはり現物が出て来ないと想像の粋を出ない。天皇発言説支持者の侍従長発言説への反駁が左巻きからしか出ず、組み立ても弱いところから考えると、このままでは侍従長発言説が定着してしまいそうだが。日経新聞はもう逃げられないところまで来ている。


posted by あんぽんたん at 10:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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