2010年06月23日

経済を突き詰めると渉外能力に行き着く

 宮沢さんは経済のプロだった。賛否は別にして、今頃現実が追いついて来ている。経済のプロ政治家が今の内閣には居ないと思う。与党内で経済に明確な理論を持っていたのは藤井さんだけだったと思うが、それを切ってしまった民主党の愚かさ。経済の指針を是非でなく有無で問わなければならないとは情け無い。

宮崎正弘の国際ニュース・早読み
 平成22年(2010)6月23日(水曜日)通巻3003号 
巧妙な、あまりに巧妙な中国の人民元切り上げ圧力回避演出
 トロントG20の喫緊議題から「人民元切り上げ」論議を外した

 週末のG20(トロント)ではユーロ危機の対応と銀行間の国際的規制強化が議題となるが、人民元問題は巧妙に外された。胡錦濤はカナダへ先乗りし、事前工作を周到に根回ししたようだ。

 オバマ政権は切り上げのジェスチャーにともかく満足し、ガイトナー米財務長官は「中国の迅速でダイナミックな決定が事態打開におおきく動いた」などと中国を高く評価する。まるでおべんちゃらのようだ。
「インド、ブラジルなどの『人民元の切り上げペースが遅い』という批判も同時に中国はかわした」(NYタイムズ、6月23日)。

 とりわけ米議会からの人民元切り上げ圧力に対しての、北京の素速い対応は、20日、唐突に変動枠を0・01%から0・5%へと変動させると発表したことで、国際的な投機筋の足下をすくった。

直前までに投機筋は人民元の切り上げを見越して、韓国ウォン、香港ドルなど人民元の「周辺」の通貨を仕掛けてきた。
 韓国とタイは短期の通貨取引に規制をかけて対応した。

 21日に中国の為替市場が開かれると、予想に反して人民元の切り上げのペースが弱く、0・5%枠内に収まる。推測だが、おそらく猛烈なドル買いを中国当局がおこなった結果だろう。

 つぎなる問題はAFM(アジア通貨基金)に移った。
 もともと97年アジア通貨危機に直面したおり、日本がIMFだけではアジア経済を資金的に円滑化することはできないうえ、通貨変動の混乱調整に期待がもてないと、宮沢構想(アジア通貨基金の構築)を提唱した経緯がある。

 最初のG7が70年代の石油危機により設立されたようにG20は1997年のアジア通貨危機の教訓から誕生した。
 ながらく休眠したが、08年のリーマン・ショック直後から再開し、ピッツバーグ、ロンドンと場所を移しながら重要課題と国際責任を加盟国が分かち合う。 


 ▲日本の主導に不快感をしめるのは米国と中国だ

宮沢構想ではIMFの地域版としてのAMF(アジア通貨基金)設立だったが、米国への根回し不足により、クリントン政権は「APECが既にあり、IMFが機能しているのに屋上屋を重ねるかのような『AMF』は不要だ」と露骨に反対し、日本案は頓挫した。

じつは背後で強烈に反対したのは中国だった。
中国は日本のイニシアティブにはすべて徹底的に反対するのである。05年、日本の国連常任理事会入りを露骨な反日デモを組織化して反対し、つぶしたように。

 しかしASEAN10ヶ国は日本の期待が大きく、宮沢構想が変形し、おおきく迂回したものの、その後のチェンマイ・イニチアティブにより「アジア通貨基金」の実務的第一歩として、情報網、監視機関の設立がなされ、具体的ステップが始まる。
 
 2009年に合意されたAMF構想は1200億ドル。
出資額の応じた投票権は日中が対等(それぞれ28・4%)、韓国が14・7%,そしてASEAN正式メンバーの十カ国が残りの28・4%を分け合う(シンガポール、インドネシア、マレーシア、タイが対等のシェアとする)。

 域内のマクロ経済調査研究所をシンガポールに設立し、財政、資金調整などを監視し、タイミングを計った提案を適宜提出することが決められた。そしてEUからユーロへの沿革があるように、アジア統一通貨も視野にはいった筈だった。
 ところがアジア統一通貨はユーロの破綻により、現在のところ、語る人もいなくなった。

しかも、この間に際立って露呈した矛盾は、各国が変動相場制に移行しているにもかかわらず中国だけがドルペッグ(固定制)を変更していないということだった。

 さらにインドが経済力を急進させて南アジア経済をゆらす影響力をもち、もうひとつはミャンマーの孤立化と中国の支援、川下産業として繊維などで発展するバングラデシュの台頭。
ASEANプラス3(日中韓)はかような矛盾を束にしながらも、或る方向に前進しつつある。


posted by あんぽんたん at 12:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 国際 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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