2011年03月01日

エコノミスト、中国33省のGDPを各国と比較

宮崎正弘の国際ニュース・早読み 
 平成23年(2011)2月27日(日曜日)通巻第3253号

中国は江蘇省一省だけでスイス一国のGDPに匹敵
 33省ぜんぶの省別GDPを各国と比較してみた

 世界第二位のGDPに躍進した中国も沿海部と山岳部、砂漠では一人あたりのGDPは天地の開きがある。貧富の差は開く一方である。

 さて英誌『エコノミスト』が面白い企画を実行した。中国全33省を省ごとに区切って、そのGDPを世界の国々と比較するとどうなるかというわけである。
 以下33の内訳である。
 
黒竜江省 ウクライナ(つまり黒竜江省のGDPはウクライナ一国のGDPと等しい)
吉林省 カタール 
遼寧省 UAE(アラブ首相国連邦)
河北省 コロンビア
北京市(※) フィリピン
天津市(※) ハンガリー
河南省 タイ
山東省 スイス 
江蘇省 スイス
浙江省 オーストリア
上海市(※) フィンランド
福建省 アイルランド
香港特別行政区 エジプト
マカオ特別行政区 パナマ 
広東省 インドネシア
海南省 ケニア
広西チワン族自治区(※) クエート
貴州省 リビア
安徽省 パキスタン
江西省 カザフスタン
湖北省 ナイジェリア
湖南省 シンガポール
四川省 マレーシア
重慶市(※) カタール  
陝西省 アルジェリア
雲南省 ベトナム
チベット自治区 マルタ
青海省 ボリビア
新彊ウィグル自治区 リビア
内蒙古自治区(※) チェコ
甘粛省 クロアチア
寧夏回族自治区(※) エチオピア 
山西省 ハンガリー
(エコノミスト、2月26日号)

(※原文にあった呼称を修正しました)

以上、備忘録として。

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2010年12月25日

抑止力の欠如があの惨劇を生んだという仮説

宮崎正弘の国際ニュース・早読み
 平成22年(2010)12月25日(土曜日)通巻3173号
(前略)
(読者の声1)平成22年の憂国忌での西尾先生のご発言で謎が解けました。非常に信頼できる方から聴いたことではありましたがなぜか腹の底に落ちない、どこか違うという思いが頭から放れませんでした。
衝撃的な話ではありますが、話の主は誠実無比、頭脳明晰な方です。直接の関係者がすべてなくなった今、その意味することを残った我々が真摯に探究できるのでしょう。否、結論をださざるを得ない時がすぐそこにきています。
宮中では長年の習わしで、どんな方でも80歳を超えるとお勤めをやめることになっています。その例外として、真崎秀樹氏は昭和天皇の通訳を80歳を超えてからも、陛下のたってのご希望でお勤めになられていました。
ある日、部屋に陛下と真崎氏のみがいたとき、陛下は窓の方をみながら、「私がおまえをその歳になっても使っているのは、真崎大将の長男だからだ。私は今までに二つ間違ったことをした」とおっしゃられました。
私がその話を聴いたのは、真崎氏と親しい仲であり、その方自身陛下から非常に信頼された方からです。昭和40年ころ宮内庁の職員組合が宮中祭祀は公務ではないので手伝わないという決定をしたとき、民間人で手伝う人を選定することを委嘱された方です。どの程度、陛下がご信頼なさっていた方かわかると思います。
その方は、「二つの間違いの内の一つは二・二六事件での処置である事は、陛下のお言葉から明らかである。もう一つは確かにはわからない。私はポツダム宣言を受け入れたことであると思う」といわれました。
私は、「大東亜戦争を開戦したことではありませんか」と言ったところ、「あの時は政府が既に開戦することを決めていた。政府が決めて了解を求めてきたら陛下は承認するしかなかった」とのお考えでした。
陛下を私などとは比べ物にならないほどご存知の方のいわれたことなので、ひとかけらの疑念はありましたが、そうなのであろうと思っていました。
しかし、西尾氏の発言でそうではないことに気づきました。
それは日本陸軍が研究していた原子爆弾の開発を禁止したことです。
結局、原子爆弾の惨禍にあったのは日本人だけだ。相互抑止が働いて、日本が爆撃されただけでそれ以降は使われなかった。それなら、日本が先に開発して実験だけすれば、だけも傷付かずに、あれほどの惨禍を日本人にもたらさずに終戦に持ち込めたはずだ。その想いが陛下をさいなみ続けていたのでしょう。
昭和19年の夏か秋ごろ、参謀総長が参内して陛下に「原子爆弾開発の目処がつきました」とご報告したところ、「お前たちはまだそんなものをやっていたのか」ときつくお叱りになり、開発中止となったという話が巷間にも伝わっています。
しかし一般にはそれは旧陸軍の人たちが自虐的に心の慰めのために作った嘘話であると信じられています。あの当時の日本の工業力では高純度のウラン235やプルトニウムを充分な量確保することは不可能であった、起爆装置の開発も無理だった、それに、開発した痕跡が残っていないというのが一般の認識です。
しかし私は、あの時点で日本の原爆開発は完成間近まで行っていたと確信いたしております。一つには、当時陸軍の参謀で陸軍大学優等卒業の方から以前、「昭和19年の夏に参謀長から新型爆弾が完成したので、これで戦争に勝てると聴いたが、12月にあれは陛下が使うなとおっしゃられたので使えなくなってしまった」と聴いたからです。
陸軍内のエリート人脈に属したその人には極秘情報が通常のチャネル以外から入ってくる。しかもその人は妄想や嘘話とは対極にある冷静かつ論理的な方です。
もう一つは、現在知られている2タイプの原子爆弾とは全く違うデザインの原子爆弾を作ることが可能であると私は考えています。そのデザイン自体は口外できませんが、当時の日本の工業水準でも十分開発可能であり、遥かに少ない量の純度のそれほど高くないウラン235を使って超小型の原子爆弾を作ることが可能なはずです。大規模な設備は不要なので、昭和19年の12月に開発中止になったのなら設備の痕跡を消すことは簡単であったことでしょう。
その方は、現行のウラン型原子爆弾を前提としてドイツから原子爆弾開発に十分な量のウラン235の提供を受けていたはずであると言われましたが、私は別のデザインのものであった可能性のほうが高いと考えます。
西尾さんもご指摘になられたように昭和39年の中国の原子爆弾実験後日本政府の中でも原子爆弾開発の動きがありドイツとの共同開発の協議があったことが明らかになっています。
私は、佐藤内閣の非核三原則は米国政府から強要されたものであると考えます。特に「持込ませない米国政府からのドイツに提供するような核兵器を現実に配備しての防衛体制は日本に対してはとらないという、「防衛無責任体制の宣言であり、米国政府から日本政府、日本国民への負の宣告です。
原潜等に積み込まないなどという幼稚な約束ではありませんそんなことはそもそも日本政府に検証不可能だからです。
佐藤総理はその意味を正確に理解していたからこそノーベル平和賞受賞演説の中で米国政府の反対を押切って全世界の核廃絶訴えたのでしょう。三島由紀夫もそのことを理解していた。そして佐藤首相は三島ならわかっていると知っていたからこそ、三島の自決を聞いて、「狂ったか」と叫んだのだと確信します。
昭和天皇、三島由紀夫、佐藤栄作、この三人は核拡散防止条約の持つ危険性を理解し、おそらく、この三人だけは理解していることをお互いに感じ取っていたのでしょう。当時表立って話すことのできないこのことを。
陛下は、昭和19年に開発を禁じたことを間違いであったとおもわれたのでしょうが、戦後にあるいは現時点で再度解発することを望まれていたとは私は言いません。しかし、この「昭和遺言」を知った以上なすべきことがあります。
それは昭和19年の時点でそれを使えば戦争に勝てる可能性が高いにもかかわらず、使わなければどのような惨禍が待ち受けていたかを知った上で敢えて核兵器開発を禁じたお方がいられたということです。
そしてそのお言葉を慫慂として受け入れた軍人がいたということです。日本がこれから軍備をどのようにしていくにしても、このことを核兵器を既に持っている国の国民と指導者、現在、開発中の国の国民と指導者、そして誰よりも日本国民自体が知り、心に刻み込まねばなりません。
それができない人間に平和を語る資格はありません。
(ST生、千葉)
(後略)

 確かに日本の核開発には謎が多い。私がこの説を飲み込めるのは、イラクの核兵器が無かった事に成っているのに陰謀めいたものを感じているから。私がアメリカだったら、イラクに有る核兵器は対イラン用に隠し置くと思うから。実際に有るかどうかはそんなには問題ではないと思う。イランに、アメリカがわざと残した核がイラクには有るかも、と思わせる事が重要なのだ。この点で、日本の今の立場を想うと、先の説は私には非常に説得力が有るのだ。

posted by あんぽんたん at 18:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年07月15日

格付けそのものの信用が破壊されていくのかも

宮崎正弘の国際ニュース・早読み 
 平成22年(2010)7月15日(木曜日)通巻3022号 
中国の格付け機関が投資戦略のシフトをうながし、多元化を示唆
 それでも米国債に9000億ドル、日本の国債は、その百分の一に過ぎず

 世界三大格付け機関といえば、S&P(スタンダート・プア)、ムーディズ、フィッチである。
世界中の国と地域が発効する国債、地方政府債、社債の信用力をランキングつけし、機関投資家に、その情報を提供する。日本の銀行の格付けを劇的に意図的に下げて、欧米の格付け機関は日本の金融不況を側面から促進した形跡もあり、一部投資家には「格付けが意図的、政治的」と批判する向きもある。

 この信用を第一とする核付け機関の列に中国が参入してきた。

 中国に同類の格付け機関が誕生したのは1994年。その名を「大公国際資信評価有限公司」(英文名DAGONG)という。
 これまでは目立つ活躍もなく、世界の投資家にはその存在さえ知れ渡っていなかったうえ、中国がありあまる外貨を資本に国家の投資企業(CIC)を立ち上げたときも、アドバイザー役と果たした訳でもなければ、同機関がブラックストーンなど米国の荒っぽいヘッジファンドに30億ドルを投資し、失敗しても同行からの発言は聞こえてこなかった。

 俄然、注目をあびたのはリーマン・ショック、ドバイ・ショック、ギリシア・ショックとたてつづいた金融不安に直面し、中国が真剣にポートフォリオ変更に歩み出したからである。

 つまり米ドル中心の米国債への集中投資パターンの組み替えだ。

 多元的に世界をみわたし信用の高い金融商品に投資し、ドル基軸、米国中心主義という路線を戦略的にシフトさせ、米ドルユーロ英ポンド日本円から、さらには豪ドルスイス・フランへも保有する通貨を多極化させた。

 日本で注目されたのは2010年に入ってから中国が猛烈に日本の国債を買い始めたからである。
 しかい米国債に投資した9000億ドルと比べれば、日本の国債保有は、その百分の一に過ぎず、脅威視するには時期尚早だろう。

 投資対象の多元化、通貨保有の多極化というポートフォリオの組み替えは、西側のファンドなら皆が行っている日常業務だが、これまでの中国の投資行為は基本的に政治であり外交の手段であり、対米投資が重点だった。


 ▲いかなる政治判断でランク付けをおこなったか?

 さて大公国際資本信用評価有限公司だが、設立の主意を改めて読んで驚いた。
 「国際社会における中国の信用力を高め中華民族の復興が重大目標である」としているから、一国中心主義、自己本位。これでは客観的評価ができる筈がない
 
 ちなみに同行が最近発表した国別評価は次の通り(アルジャジーラ、7月15日)。

 AAA  スイス、デンマーク、ルクセンブルグ、シンガポール、豪州、ノルウェイ等
 AA+  中国、ドイツ
 AA   米国
 AA−  日本、フランス、英国、韓国
 A−   チリ、ベルギー、スペイン、南ア、露西亜、エストニア、マレーシア、
イタリア、ポーランド、ブラジル、ポルトガル、イスラエル等

 この評価は専門家からみても「政治的配慮」がまだまだ強く全面出でている。
そればかりか、中国の国債、社債の信用力が日本のそれより2ランクも上になっており、ユーロ危機で破綻した「ギリシアの次」と危険視されるイタリア、スペイン、ポルトガルがそろってA−のランク入りしているのも、どうみても尋常なる評価とは考えにくいだろう。

 現在、中国が保有する米国債」は9002億ドル(ヘラルドトリビューン、7月15日付け)、ただし長期債を七年以内の中短期債権にシフトさせている。これは次の中国の投資行動の一種のシグナルであろう、と観測されている。

 客観性を加味した対外的に発表する官製格付けと、自分達の為の真の調査格付け。格付けというよりも諜報機関の類。

posted by あんぽんたん at 23:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 国際 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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